粉雪の小樽で…

10月下旬、真夏日続く南から果ての北の大地へ飛びました。
札幌までの車窓に白い残雪が映ります。
真夏の骨折からようやく少し歩けるようになって・・・いきなり札幌の展示会です。
気持ちだけが前のめり・・・足を引きづりながら恋人に会うようにこの街へやって来ました!
4月会っただけの若き熱帯魚たちと熱い再会!懐かしい気持ちにさせられるのが不思議です。
思ったより歩けず、かたっかたっと同じ界隈をぐるぐる・・・
札幌のな~んにも知らないけれど皆がいる!もう馴染んだ街です!
最後に夫も南から合流・・・若い愛しき仲間たちよ、みんなで飲んで笑ったねえ!
この十年余り・・・
こうして知らない土地で出会う人々、行きかう想い・・・帽子を作り始めて巡る時間。
夫が「誰のおかげ?」そう、あなたが仕事を辞めたお陰です!

展示会が終わって
二人北の晩秋を少しだけ歩きました。
いずれも高く空に向かって背伸び、大きく枝を広げる樹木は美しい紅葉に染まり目を見張ります。
小さな旅・・・長いスランプにいた夫の顔が高揚しています。
「誰のおかげ?」今度は私。「あなたのおかげ…」夫が言います。
運河沿いに粉雪舞う小樽を二人手をつなぎ歩けば旅情が着いて来る・・・冷たさが温かい!
目まぐるしく疾走したこの十年余り・・・
ゆっくりしか歩けないから想いがゆっくりしみじみやって来る。
がんがん仕事して時を駆け抜けて・・・素敵な時間を過ごしてきたんだ。
エッセイ集が出来上がって、何だか向こうに一枚衣を脱いできたよう・・・
今立ち止まって見知らぬ大地から陽の沈むのを見ています。
札幌を去る日、お約束のようにボタン雪が羽のように舞って「待ってる…よ」と目くばせ、
いろんな街を巡ったけれど、また北に想いの街ができました。

東京に寄って雑踏を潜り抜け、好きな絵を見て、
娘一家の幸福を感じながら心良き従姉妹と酒を飲み交わす嬉しさ・・・
今年の小さな二人旅、しみじみ良い旅でした。

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