菜種梅雨・・・ここに来て思わぬ長雨に振り回されて桜の花便りも声を潜めます。
青山の展示会に行ったのは三月下旬。東京滞在中、寒の戻りでまさかの冬支度なんて！
おまけに人ごみに出たせいか早々に風邪を貰いずっと発熱続き！
結局ギャラリーの往復以外何処にも出かけず、何も見ず・・・末娘宅で布団の中。
あ～あ春なのに。
帰り着けば此処はやはり南・・・
ぽわんと暖かな陽気に包まれて風邪も抜けそう…しばらく独りだった夫がしっぽを振って待っててくれました。
こうして展示会の度、私の家を出たり入ったりも二人きりの暮らしではめりはり！
このところの定番で帰宅初日の夜は夫が腕を振るってのご相伴に与り（ちょっと味濃い！？）愛を頬張りました。
それからがまた一仕事！
まだごほごほのまま展示会のあと注文を猛烈にこなしました。
ようやく終わって見渡せば花色でモーブに霞むはずの山も何時の間にか葉桜に・・・
桜の花は雨に流され今年の春を見失ってしまいました。
さあ目の前には来月の展示会が迫っています。
それが済めばすぐに夫と二人、親として小さな小さな婚礼へ海を渡って駆けつけます！
一昨年、二十年ぶりに長女と一緒に出た旅の空・・・イスタンブールからパリまで。
その旅での拾い物・・・二人の恋が始まったあの日、私もそこにいました。
長女は婿殿ローランと出会い遅まきの恋が実って昨年末パリの住人へ。
私がパリの街を上手く歩き回れるまで二人はその日を待っててくれました。
久しぶりに夫と二人旅・・・初夏の異国の街を闊歩します。
本人が思う以上に元気な？彼は「これが最後の遠出・・・」と呟いています。
私は「また旅が始まる・・・」とほくそ笑みます。
帰り着けばまたすぐに地元で展示会！今年もまたこんな風に走り続けるんだろうな。
元気に走れるんだったらそれも良い！
路上に落ちこぼれている”切なさ”を拾い食いしながら
五感を全部目にして耳にして、全身で「今」を歓喜しよう！
甘く切なの春に・・・やたら元気です。