愛しき銀座

6月に入って思い立ってバタバタ企画して銀座で展示会。
ぽかんと空いた今年のスケジュール・・・元気で時間があれば先立つものも!?も大事だし
そうだ、やっぱり仕事しよう!
そんな次第で友人が先日していたギャラリーにたまたまあった「空き」に滑り込んだ。

久しぶりの銀座・・・14年前初めての飲展示会はこの街からスタート。
「絵に専念したいから…」と早目のリタイアをした夫へ条件突き付けた。
子ども達に僅かばかりの手切れ金渡し「二人で長~い旅行をしよう!」とトルコ~モロッコまで陸伝いに旅をしたからもう懐寒い。
背水の陣で翌年片田舎からいきなり日本のど真ん中、ガラス張りの小さなギャラリーで客待ち・・・内心「どうなるのかな?」
けれど思わぬ流れに乗ってまっしぐら!
年明ければ年末までがんがん仕事して這うようにひと月の旅・・・異国を漂えば流れる雲になれた!
そんな日々がもう十四年になりました。

あれから東京での展示会は青山に移り・・・今年はこんな流れで久しぶりの「銀座」でした。
懐かしいいろんな人が訪れて・・・いろんな人生に会えてしみじみとした感慨が広がります。
もう80になったOさん。未だに世界中を放浪してる。たまたまこの期間日本にいて連日私と逢瀬?
「この不良老人!」と言えばキュートな格好でケケケと笑う。
同級生が訪ねてきて・・・あの若い頃知らなかった彼女の背景。そして今・・・何の憶する事もなく、なんて精神の見事な人だろう…と深い感慨。
同い年で書道家のK女史「なんだか色っぽくなったね」どんどん奇麗になる・・・大らかな気遣い、温かな愛に溢れればあんないい顔になるんだ。
染色家のA、この人も14年前の帽子が縁。何時もずるずるとしていながら人間の優しさに溢れている。屈託なく身をゆだねて笑い合える大好きな人。
場違いにやって来た夫の小中時代の仲間たち。彼ら、都会に長くても夫をだしに地元弁でがんがん喋って笑ったね。夫の好きな仲間たち。
etc・・・・・
何時の間にかこの都会にいろんな知り合いが増え、心通わし夜のしじまに私達の笑い声が響く。
振り向けば周りには良い人ばかり!若い時代の苦さを咀嚼し自分を問い・・・そしていろんな瀬を縫ってここまで来たんだもの。

そんな想いのほろ酔いで最終の電車を乗り継いで帰り着く娘宅。そっと鍵を回し…不良母ですみません!けれど幸せです。
「後はあなたが食わしてね」そんな言葉で始まった私達の後半。
人生は思わぬ先のピンに当たってまた思わぬ方向へ転がりだした。
運が良いのか運を手籠めにしたのか・・・人生はどんどん面白くなる!(と言っても後は残り少ないですよ~)
夫がそういう私に「誰のおかげ?」ええ、あなたのおかげ!

さて帰り着けば日常です。
しっぽ振って待ってたくせに今度はご機嫌斜め・・・手の掛かる亭主殿です。
アトリエに入って持ち帰ったそんな想いのかけらを頬張りながら手を動かしています。
待っててくれる人がいるのは良いねぇ・・・秋はまた「銀座」になりました!

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