桜と三本足の猫

三月半ば、桜前線と共に春一番の青山の展示会。
小さなギャラリーにいろとりどりお洒落な極上熱帯魚群来訪!
田舎の海辺のアトリエに籠ってぷらぷら仕事してれば、これはたまのご馳走!・・・美味しく頂きました。
東京に行く前すでにオーバーワーク!へろへろでたどり着いて・・・何時もながら婿殿に悪態つきながら娘宅に居候。
そこから1時間余り、電車2回乗り換えで青山・・・
駅の階段駆け上って電車に飛び乗り、片手つり革で読書タイム、座れれば前に並ぶ乗客の人生背景の想像遊び。
田舎町に住めば何時も車でひょいっ!の身にゃあこれも新鮮です。

久しぶりの東京となるとすでに染みの友人達と夜ごと飲み!
何時の間にかここにもこんな風に気持ちが行きかう関係が根付いたんだなぁ。
おまけに今回は展示会最終日にパリに住む娘夫婦が到着、遅い結婚で桜の季節に初めての里帰りです。
それで夫抜きの東京在住ファミリー飲み会と相成りました。(東京苦手の夫君は不参加!)
ただ以前のようにはいけません。
70歳が目前というのにやってる事といったら50代そのまま・・・不良するには体力が必要と悟りました!
それからバタバタと東京での用事を済ませ、私は一足先に帰宅して実家に帰省する彼らのお迎えです。
あれから実家に帰って来た娘夫婦を車に乗っけて桜を追いかけ
日南や温泉etc…ハンドル握り、帰り着いて料理して合間に仕事!
でも疲れてダウンしたのは何にもしない夫でした。(私の方が疲れてるって!)
我が背は精神も体力もよわよわなのです。
1週間ほどしてパリ組が帰国しました。
その後、娘にとって青春の街・神戸で最後にしみじみと良い時間が過ごせたようです。
もう山は葉桜となって柔らかな緑に覆われています。
私達はまた夫婦二人の時間に浸ります。

展示会のため東京に出る日の朝、もう出発という時に我が窓の向こう、我が家の庭を見慣れない猫が横切ったのです。
私は思わず「あっ」と声を上げました。
他の野良に追っかけられてその猫はぴょこたんぴょこたん体を揺らしながら・・・足が三本しかなかったのです!
動揺が走ったけれど、確かに足は三本しかありませんでした。でももう猫の姿はありません。
出発間際で探す時間もなく後を夫に託して、あの朝私は出発したのでした。
その後夫から「餌あげてるよ。カヌーの下にいるみたいだよ…」と電話。
「一体なぜ?事故?」家を離れてからずっと気になっていた事でした。
あの子、野良で三本足になって・・・よく生き延びてたぁ。
他の猫からの攻撃を恐れ、どうやら我が家の離れの前に傾け置いてあるカヌーの僅かな隙間から出入り、住み着いたらしい。
野良の身には三本足なんて過酷な状況だろう。
夫も気にしていたのだろう、留守の間その猫に餌をちゃんとやってくれていた。
「食べてる、でも姿は見せないよ・・・」夫から聞いていたけれど
帰宅後、私が「大丈夫よ…」と声かけながら餌と水を持って行くと
その気配でカヌーの中から「ミャォミャォミャォ」と泣き続ける、と言うより一生懸命何か訴えます。
どうも女の方が安心なんだろう・・・少し慣れたようです。
昨日真っ暗なカヌーの中にベッド代わりにとバスタオルを敷いたトレイを入れました。
我が家には以前からいろんな猫が住み着いて・・・何時の間にか家の子達に。
多い時は13匹も!
「おっちび!」の掛け声で勢ぞろい・・・横の河川敷を2匹の大型犬と猫の集団でお散歩したもんだ。
松林の上をカラスが不思議そうに眺めてたっけ。
ご近所からまた苦情が出るかも知れないけれど私は今日も猫に餌をやる。
家の三毛猫ミュウミュウも「出ておいでよ」と泣いてくれます。
カヌーの中からも「ミャォミャォ」
もう少し慣れたら家の子にするしかないな。

あと4日で鹿児島での展示会です。

 

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