赤い曼殊沙華・・・

あれから・・・酷暑の夏が台風一過で一気に秋が舞い降りました。

大型台風と言う触れ込みで、このコロナ禍に新生児を抱えた我が家はようやく取れた隣町のホテルへ避難!

もし停電になったら…とスーパーには水もインスタント食品もすでに品切れ…

食べた事のないカップヌードルなど備蓄食料をどんと買い込み、あお君はもうピクニック気分です。

さてさて台風はどうって事なしを得たのですが、潮風にまみれた庭木はもう一気に枯葉!

一夜明けると涼風吹きわたり辺り一面すっかり秋の気配に・・・。

 

夏真っ盛り、何故か気になってご無沙汰していた青山のギャラリーにお手紙書いて返ってきたのがオーナーのご訃報でした。

帽子を始めてすぐにお声を掛けて頂いて以来・・・15年ほどのお付き合いです。

もうご高齢ながらオーナー・K女史は圧倒されるほどの艶やかな女性でした。

54歳で始めて・・・一気に作りたい帽子を作って三年目辺り「もう作りたい帽子作ったしなぁ…」

そんな横着な私に彼女のしなやかな鞭が走りました。

「去年、あんなにわくわくした人たちが今年もするかしら?私達をわくわくさせて…」と電話の向こうでそう静かに言われたのです。

冷や汗がたらりと流れた瞬間でした。

音楽でも本でも映画でも・・・・この「わくわく」は生きてる事への活力の証!

物を作るという事…この言葉があれから帽子を作る私の原点になりました。

そのK女史は彼女らしく…鮮やかな絵の具を最後まで使い切った途端すっと天に上って行かれました。

羨ましいほどの幕引き!お見事でした。

昨年お会いした時「80になったらね、本当に元気になっちゃったのよ」の言葉がまだ耳に響いています。

只今そのギャラリーで私の展示会中!私自身は健康上の理由で今回は家待機ですが

頂いたこの言葉を大事にこれからも私らしいワクワクを模索します。

 

さて出産帰省の娘達との生活もあと数日・・・

お友達のいないあお君にとっては猫のミュウミュウだけがお友達…けれど彼女の方はつれない素振り。

小さな子供の声に溢れた家から出奔!「疲れるんだよなぁ」夜になるまで帰ってきません。

若い日々、T氏は「俺は家族の殻を背負って歩くのはごめんだ!」そううそぶいていた。

あお君は祖父である彼がそんな難しい男だと知りません。

だから夫の後を付いて回って草を焚いたり、浜辺で遊んでお風呂も一緒・・・しかし夫の了見の狭さは露呈して子供相手にむきになったり。

4人の子育てに一切関与しなかった夫も今回だけは観念して頑張りました。

けれどやっぱり二人きりの幸福に慣れてしまった私達・・・贅沢な?さんざめきにそれでも疲労は日々蓄積です。

ゆったり音楽聞きながら仕事して、夜ごと美味しいお酒を飲んで笑い合う

「やっぱり二人が良いよねぇ・・・」

見回せば何時の間にか夏枯れの庭一面に赤い曼殊沙華・・・あぁもう秋なんだ!

夕暮れに霞む山々もどこか澄んで秋の気配に包まれています。

無事宮参りも済ませました。三月近くの彼等の滞在も夏を越してようやくピリオド。

今年は春から色々あったなぁ・・・今日久しぶりに松林まで皆とお散歩。

松林をぬける風の音・・・さわさわと磯の香に包まれ何処までも青の世界が広がっていました。

コロナに始まり友人の病気・長雨にマスク掛けの灼熱の真夏・・・

怒涛の夏から二人ゆったり秋の夜長を楽しみたいと思います。

 

 

 

 

 

 

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