聖なる夜・・・

コロナ禍の冬眠生活でゆったりなまくら生活が身に付いていたのだけれど、金の切れ目が働き時・・・キリギリス目覚め活動開始すれば今年一年の早かったこと!

帽子を作り始めて18年・・・コロナ以前、がんがん音楽掛けてアトリエに籠もり、夫が絵を描く傍らで私は帽子制作。それが終われば私は展示会場に駆けつけ各地の麗しき熱帯魚達との逢瀬!その度見知らぬ土地を徘徊して一年終わりに小銭かき集めては海を渡って異国の街へ・・・と、何だかずっと走りっぱなしでした。その感覚!またもや再開です。このコロナ禍小休止・・・一息ついて気がつけば「えぇ、私もう70過ぎてるの?何時?」油断してる間に・・・です。

行き違いの恋いも迸る想いも若い頃の哀しみは薄葉紙のように静かに舞い降り重なって・・・時間は全てをゆるゆると飲み込んでデッキに吊り下げたパイプ風鈴のように今はたおやかなメロディを奏でています。先日、朝食を食べながらわがまま夫がふと「僕たち・・・幸福だねぇ、そう思わない?」確かに!愛を請う二人がこだわりのバトルを繰り返し、いろんな物を脱ぎ捨てて今は楽に生きれている・・・そこに辿り着けたんだ!切なさも含め何て素敵な時間だったんだろう・・・そんな想いが過りました。

さてそんな感傷がたちまち吹っ飛ぶような師走突入です!なんてったって大イベント・クリスマスが控えています。恒例の我が家の不良老人のクリスマス会はコロナ蔓延もあり新年会へ変更するとして・・・何せ一年の大イベント!膨れ上がった我が家のメンバー16人全員へのプレゼントの用意です。これが大変なんだなぁ。展示会後の後注文とお直しを大急ぎでする傍ら、ひとりひとり顔を思い浮かべ予算と見比べながら少ない資金でもっぱらパソコン釘付けで探し回ります。やがて次々届くプレゼント・・・後はクリスマスカードとパッケージ!そしてようやく夫々の家庭へ送り出し、ギリギリ全てが完了!こんな日々の中、充分に幸福な私達夫婦は何時かしらお互いへのプレゼントを止めていました。何故って・・・もう満腹状態!何もかも満たされているから。こうして皆に幸福のお裾分けをしている幸福までもらっているからでしょう。

25日になって・・・それぞれの家族からクリスマスの動画が届きます。忙しい季節ではあったけれど「良かったね・・・」何れも素敵な愛で満たされた幸福な画像です。まだ子供等が全員家にいた頃、我が家でも大きなツリーの下にプレゼントを置いて・・・その同じ事を今は子供等がしています。私自身も古い記憶の中に背丈ほどのモミの木と見立てた杉に雪の代わりに綿を乗っけた。兄とツリーを飾る・・・母が微笑みながらそれを見ていたっけ。あの頃、近所ではまだ何処もツリーなど飾らなかったけれど、母はそれに憧れを抱いていたのでしょう。まだ小さな路地が全て子供には世界は及びも付かない遠い遠いところ・・・私は飾りながらオーナメントの遠い見知らぬ国の雪を被った煙突のある小さな家に見惚れていた。朝目覚めると枕元にサンタさんからのお手紙と何故か潮汲み人形・・・ネルの寝間着のまま寒さも忘れて母にその手紙を読んでもらった。赤い服を着たサンタさんが何故潮汲み人形?と一瞬いぶかしげに思ったのだけれど「ほら、サンタさんからの手紙に書いてあるでしょう?」確かに!「メリークリスマス!Yちゃん、野菜も食べようね」と、あの日の朝、文字も読めぬままサンタさんの直筆書体まで覚えているのです。後で「何だか母の字に似ているなぁ」と思うのだけれど・・・。

人生まっただ中の親となった彼らにも、そしてその子等にもこれからいろんな事があるでしょう。ましてクリスチャンでもない私達ですけれどこのキラキラした幸福な夜は人生の宝物です。その日の目映い記憶は幸福なイルミネーションとなってそれぞれの人生を温かく美しく飾ってくれるでしょう。私達の細やかな贈り物!けれどそんなバトンが彼らに渡されたように思います。

さて今年も後5日・・・師走、だから走ります。まだまだ手つかずの大掃除と夫々の墓参りに友人等との年の瀬送り!ゆっくりブログなんて書いてる暇無いぞ!!

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