初日の出まで・・・

一足早い水仙を飾りました。清らかな香りが流れて・・・2023年、幕開けです。

12月に掛かってしまった高松の展示会・・・後のお直しとオーダー制作の傍ら16名ものクリスマス・プレゼント!これが毎年大変だと覚悟はしてたもののはやり大変でした。仕事終えれば何せ限りある資金で夫々を喜ばせる物探し!大量のクリスマスカードを取り寄せた後、次々届く小包をパッケージ。交代で夫々のカードにメッセージ書き入れたら、一家ごとに24日に間に合うよう梱包して・・・ついに終わった!もうヘロヘロ・・・コロナで皆集まることもなくなったけれど、それでもツリーは飾ります。この大きなツリーを飾れば母と過ごした時間から子供等が目を輝かせていた幸せなあの日が思い出されるのです。

そしてクリスマスの日、夜ともなれば夫々子供等の家族から「有り難う!」のビデオ電話。皆しあわせそう・・・。何時の間にか夫婦互いのクリスマスプレゼントは止めてしまったぁ。何故ってこれまでお互いに充分に素敵なプレゼントを贈り贈って、もう満腹?!なのです。こうして独立していった子供等家族が彼らの子供時代のようにきらきらと素敵なクリスマスを送れたこと・・・これが何よりの私達へのプレゼントなのでしょう。大きな家で夫婦二人となった今、この幸福をしみじみ感じます。

けれどまだまだある暮れまでの仕事。義母の施設へ贈り物を届け、そして今度は二人家中の清掃に喧嘩しながらの障子張り!ようやく全てが完了してようやく川辺と城山まで両親のお墓参り。正しく待ったなしの師走を過ごして30日、あの友人等がやって来た。恒例となった同い年4人組、夫の高校時代からの友人達と過ごす今年の暮れです。正月明けを帰省してひとり過ごす彼らに山ほど料理を作ってやれば、笑って気炎を上げて・・・また山ほど食べる!「これまでこれ出してくれなかったじゃないか・・・」そう文句を言いつつ一人で生春巻き7本も食べる奴!翌日もう親のいなくなったそれぞれの実家へお持たせで大きなタッパーにバッグに詰めて・・・今年の仕事終わりでした。

日付が変わって元旦の朝、夫をたたき起こし初日の出・・・気嵐漂う暁の浜に出るのは彼にとってはこの家に越してきたあの30年前以来です。やがて幻想的に染まった海に赤い陽が山の端から昇れば「あぁ、これで人生見納めの初日の出・・・」と寝太郎の君が言いました。年が変わって元旦から昨年の疲れは炬燵でだらだら過ごし・・・4日、日南に向かいます。崖っぷちの大きなほこらにある鵜戸神宮へ向かえば晴天の空に真っ青なべた凪の海が広がります。

さぁ、今年は忙しいぞ。次から次へと来るメールに返信・・・各展示会の打ち合わせです。70過ぎてまだこんなに仕事するんだ!携帯を打ちながら人ごとのような感慨が過ります。

正月早々メールは温かな人柄のA女史の夫の訃報を伝えました。色んな経緯がありいったん二人は別れたのに「ほっとけないから・・・」とまた一緒になって・・・そして終に離婚した彼女の夫です。連絡を受けて結局彼女が葬儀を出したらしい。生前、情ある彼女が幾度も幾度も繋いでくれた糸を夫は仇で返し・・・けれど最後にはやはり彼女の元に辿り着いたんだ。彼女が出て行ってから2年・・・制作の庭にひとつのオブジェ・・・何かしら予感があったのだろうか、その後不遇に屈折した彫刻家の彼が彫った自分の墓石だった。「縁あった人・・・彼がそれを望むのなら・・・」とつとつと語るA女史のその言葉は全てを温かく包み込んだ。

春一番・・・「えぇ?お友達だったの?だったら二人で!」別々に企画を受けていた大阪のギャラリーから急遽A女史と合同展示会となりました。土を耕しながら布を染め上げるたおやかな女と田舎の海辺でぷらぷらエレガンスを餌としながら吠える女・・・その「アンバランスの心地よさ!?」それが私達二人の関係でしょうか。

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