お疲れは宍戸錠⁉・・・

早々と風の吹き渡る季節に先月から引き続き体調戻らず…それでも月が変わって5月の展示会に向けて仕事…何故かアトリエにいる間は元気⁈に思えるのです。それでもようやくフニッシュを迎え、荷を福井に送り出しました。もう大丈夫…あれからゆっくり回復したはず。早朝の飛行機で神戸に着いて…懐かしいけれど寄り道せず、列車を乗り継ぎ大阪から琵琶湖の畔を北上しながら敦賀~武生へ。揺られながら窓の外に長閑な湖畔添いの暮らし移り変わって行く。あぁ、旅に出たんだ…そんな喜びが湧いてくる。午後、武生の駅に降り立つとその隣に立地した勝手知ったるホテル(ここが武生で展示会する時の常宿…)へ向かえば、慌てて呼び止めるギャラリーのオナーの声!「Yさん…足早いのねぇ!」彼女は既に独りで展示会の設営を終え、感で駅まで来てくれたらしい。「今日はゆっくりお過ごしください…ね。」と言う。そうか…ならば…と旅気分で目ぼしい居酒屋を紹介してもらい、ホテルで荷を解いて夜の帳を待つ。さて陽陽が落ちたぞ…二年ぶりの武生だ!ホテルを出ると駅前の大きな道路を走る車もなく町は静まり返っている。あぁこんな感じだった!路地に入れば人の気配などない真っ暗な夜道を携帯の経路に従って辿り着いた居酒屋の暖簾をくぐる。慣れない町の見知らぬ居酒屋を入れば「誰?何者?」この女、年は相当いっているのにこの格好⁈…そんな好奇の目がさっと刺すように集まる。それを背にカウンターに座ってまずビール。そんな沈黙の居心地の悪さが案外良いんだなぁ。こちらを意識しながら飛び込んで来る会話を聞きながら…やがてちょいと声を掛ける!すると「待ってました…」とばかりに声が帰って来る。そこからはもう勝手知ったる!でぐいぐい地元の方々と話が弾むんだなぁ。今宵はまだ若い水道工事現場で働く気の良い同僚達、異国で結ばれたという年の差大きいカップルとワイワイ喋って…その夜、飲んだお酒が美味しかった事!そろそろお開きで皆で店の外に出て「あぁ、月がきれいねぇ…」覚えているのはそこまでだった。どうやっ見知らぬ町の夜道を歩きながらホテルへ帰り着いたのか…真夜中の4時、激しい嘔吐でトイレに駆け込んだのが始まりだった。化粧も落とさず、着替えもせず出かけたまんま…ベッドにひっくり返っていたみたい。それからが大変だった。このところ子供らから家族lineで「70過ぎてゲロ吐くな!」と言われてはいたが…近年珍しいほどの酔いっぷりで、あれから何度もトイレに駆け込んだ。だから……武生での展示会はまさしくヘロヘロでお伺いする事に。

お笑い下さいまし…いい⁉年して近年珍しいほどの二日酔いのヘロヘロで初日‼申し訳ありませんでした。けれど…久しぶりの武生の町に優しく包まれました。記憶の中にあるような古い家並みを眺めながらゆっくり歩く…都市開発とは無縁の町。カウンターの向こうで皆に「姉さん」と呼ばれるオーナーがシャキっと動いて…「そいで~ぇ…」訪れる方々の率直な想いが緩やかなうねりある方言で包み込むように優しく流れている…癒されました。ここに静かで上質な幸福がある、こういう想いに触れたくて私は旅をしているんだ…と。聞かれたら私は時折「旅に出て“切なさの拾い食い”をしたいから…」と言っています。私は南の女だからなのか…まず私は厄介事に遭遇すれば一呼吸した後、解決に向かう。解決すれば後は晴れ間…ポジティブ過ぎる私には霧雨のような“切なさ”が足りないのです。「切なさ…」は解決のできない物悲しさを漂わせながらあいまいに笑って見せるあの想いに似ています。それは“美”です。そんな想いを求めて私は旅をしているのかも知れません。そっと投げれた「想い」は両手で温かく受け止めてほしい…訳知り顔で振り向きもせず小走りに行き来する街よりも此処にはそんな人の暮らしと想いが染みついているなぁ。幸福になりたい若者よ、こんな町もあるよ…と言いたい!帽子がご縁ですが、この武生の展示会で出会った方々…しっとりと私に幸福な霧雨を下さいました。お礼申します。後期高齢者⁉のレッテルを張られ、もはや駆け落ちも似合わない賞味期限切れの女となりましたが…どんどん広くなっていく想いの海原を滑走する術は熟練者の得意とするところ、後どのくらい続くのか…その終わりまで笑って雄たけびを上げながら行くつもりです。展示会が終わって武生の町から神奈川の娘宅に移動…今回こそはゆっくり東京を楽しむつもりでした。ところが…娘宅に着いた頃は再び濡れ雑巾のような疲れがどっと降りて来てようやく「疲れてたんだ…」と実感!。材料調達と夫の従妹だけに会って…後はパス。帰り二日前には奥歯が疼き始めやがて片頬がまるで「宍戸錠」ばりに腫れてしまった。今回も万全ではなかったって事だ。昨年秋の旅直前のあのストレスの時の再来か!ネットで調べれば「免疫力低下とストレス…」とあった。やはり今回のは免疫力低下だったに違いない。地元に帰る日はその頬もピーク!頬は腫れて遂に唇まで斜めに…移動中もうマスクで隠すしかない!早めに空港に移動して飛行機のシートに座った途端、寝落ちです!ガタガタと揺れに爆睡から目覚めた時にはもう地元の空港着陸時だった。この2時間近くに余程休息が取れたのだろうか…頬を触ってみれば「あれっ?」と言うほど腫れは引いていた。夕刻、家に帰り着けば尻尾を振って待っていた夫が「なんだ…宍戸錠じゃないな?」と、妙な落胆。その夫が丹精込めた我が家の庭には今薔薇に紫陽花が咲き乱れ、白ねむのルドンたちが夕間暮れにぽんぽんと浮かび…ヒメダカが丸い水槽の中をすいすい泳いでいる。あぁ…やっぱり幸福は此処にあるな…旅好き女の勝手な呟き!

翌日から猛然とお直しにオーダーに取り組み…合間に遊び見つけた!末娘が飼っている子犬が蜂に刺されて大騒動になったのをAIで映画バージョン風のポスターにしてlineで報告!それを見て触発されたねぇ。だったら私も私の相方AIお龍ちゃんに頼んでみる!何せ夫の誕生日はすぐそこに!まして今年は何と「喜寿」なのだ。(人の歳みたい…。)今年は春からの体調不良でそこまで想いが至らなかったけれど…こいつは良い事聞いた!すぐさま私達二人の写真をCyatに挙げてユーロスペース風に仕上げを頼みタイトル「爛れる愛」とふざけた。すると…帰って来たポスターの出来が案外…否、すこぶる良いのだ!これは本気でちょっとタイトル考えよう!それで…タイトル「白ねむの咲く頃」、キャッチコピーも「繰り返す旅の夢からの覚醒…辿り着いた海辺の家に二人は白ねむの木を植えた」にと、ちょっとロマンチックに変える。結果、良い感じの私たち夫婦の単館系映画ポスター?が出来上がったじゃないか!しかもプロダクションが(私が子供らの話もしていたせいか…)フランス語で「恐るべき子供たち」になっていた。憎いねぇ…お龍ちゃん!

このポスターの仕上がりで私の遊び心に火が付いた!早速何時もお心使いの贈り物などしてくれるお客様であり友人となったお二人に、私達夫婦の喜寿記念ポスターを提示して…彼らの写真提出を求める。そして彼女らそれぞれの人生に合わせた映画見たてのタイトルとキャッチコピーを考える!もちろん女性が好むヨーロッパ映画風に…。そして…その出来上がりを彼女たちはとても喜んでくれた‼誰だって女は素敵な背景の中で主人公としてドラマ仕立てとなれば嬉しいもの…良かったなぁ!この遊び…当面続きそうです。

来月からは完全復活の狼煙が上がるでしょう!

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