明日から大阪で展示会…26日、出発の早朝まで取り掛かった最後の仕事、頼まれていたブローチは結局突貫工事?の粗が目についてもうピリオド…これはもう持っていくべきじゃない!と決めて庭に出れば…春の庭に陶然と佇む夫、彼の至福の時間です。この再生の麗しき春は急ぎ足のまま横目で見る女にはそっけなく…足を止めて佇む男にはゆっくりと色深く沈殿して行くらしい。それで陶然と春に浸っている彼の横に並んでこの春を頂いた。彼が丹精込めた幾種類ものバラの鉢はそれぞれ柔らかな赤い新芽を出し、幾種類もの椿がぼたぼた庭の小道に落ちて…今を盛りの雪柳、子手毬に藤の花には固いつぼみが…蓮を入れる大き目の鉢も鈴虫を飼う雰囲気ある籠ももう頼んである。初夏の庭は目を奪う美しさだろう…夫の幸福はこの庭にあり、それを花ばさみを手に夢見る。旦那、足元の方も御覧なさいな…飛び出た枝を落とし、四つに分けた庭の雑草の草取りは端女である私の仕事…。
大阪の展示会へ向かうべく空港に余裕持って出かけたはずが…何処も駐車場満杯!春休みが始まってたんだ。それから焦りました。何軒か回ってもうタイムリミットと言う時にようやく一台のスペース有を見つけて滑り込んだ。その時に慌ててハンドル切って何かに当たりガッシャと鈍い音⁉けれど確認するには時間が迫って…昨年秋の旅の状況が頭を過り、もう確認しないまま一目散に空港に向かって駆け出した。70半ば過ぎてまだこんな事してる…自嘲する間もなくスーツケース引いたまま突っ走ってようやくセーフ!今回…こんな始まりでした。
同じくよろよろでギャラリーに駈け込んで来た今回のコラボの相手D…あの昨年晩秋以来です。今回も二人でウィクリーマンションを借りてます。彼女は一昨年同様お米に野菜…電気釜までスーツケースに入れてきた。さぁこれから大阪の展示会始まり…!
ギャラリーまでの道すがら大きな公園を横切ればまさに桜が満開…根方にシートを広げてワインのコップを並べてる若者たち。忙しすぎた私達…互いともあまりに多忙過ぎて三月の花の知らせも耳を掠めたまま「あぁ、ここに来て花見だね…」ようやくここに来て春爛漫に酔いました。
初日…早速駆けつけて下さった方々、もう一年ぶりとは思えない!会場には二人の作品と共に飾り付けられた二人の旅の写真に渾身の二人のマリオネット…もちろん昨年秋のDとの旅の話が飛び出す。Dは千葉から新鮮過ぎる野菜を送って来ていた。「これ、Dさんが作ったの?」「いや…違うんだよ。こんな立派なものはねぇ…」とDは苦笑いしてる。こんな色気のない女から何故あんなに美しい色が生まれるのだろうか?さんざめきのオープニングパーティが終わった夜、夫からのメールが届いていた。「知らせない方が良いのか迷ったけれど…ミュウミュウが死んでしまった」我が家で飼っていた最後の猫ミュウミュウ…15歳。年取っていても家を出る時も普通に元気だったのに、あまりに突然の死だった。子供らがいる頃、我が家には大型の犬2匹と13匹の猫たちがいて…幸福な喧騒に包まれていた。私たち夫婦の年齢を考えればもう動物は飼えない…その最後の一匹がミュウミュウだった。私の腕枕でしか寝ない。寝返りを許さない甘えん坊の最後の猫。その日も普通に庭で夫に甘えご飯をねだり…昼過ぎ夫がふと寝室前の床に寝ているミュウミュウを見かけて「こんな所で寝て…」と思ったそうだ。それで声掛けして…亡くなっているのに気づいたのらしい。彼女は苦しみなどなく眠るつもりで天国に行ったのだ…だから…と彼は言った。私の中で突然何かがザーッと崩れ落ちて行った。去年の春先Sが逝って…そして今度は突然ミュウミュウが逝く?何時もなら展示会が始まるとスイッチが入ってそれまでの疲れはポンとはじき返して会期を終える。「元気ねぇ…」「えぇ、元気よ!」それが何時もの会話。けれど…この出来事で私の中で何かがとんと崩れ落ちたのだろう。その夜、すぐにベッドに潜り込んで泣きながらそのまま寝入ってしまった。翌日目が覚めれば自分の中の「気」がすっかり無くなっているように感じた。その夜ひどい高熱が出て…ただお客様がいらしている間はスイッチが入っている。ギャラリーを出れば途端にもうガタガタと寒気と熱!これはミュウミュウの死んでしまったショックからきているんだと分かっているからどうしようもない。これからもまだやらなきゃならない事は目白押しなのだ。
自分の意識を立て直すしかない…と思っていた。ただ…これまでもずっと詰めて詰めて動いて来たのだ。ここに来て一旦崩れてしまった体調は頭の中の焦りに抗って体の中でくすぶり続けた。展示会に来て頂いた多くの方々との楽しい交流…皆さま、有難うございました。ただし、そんな状況だったので到底外で飲む気にもなれず…結局大阪ではギャラリーが閉じればまっすぐマンションへ…。それにお客様のお一人が、二人マンション住まいと聞いて手作りのお料理など一杯詰めて持って来て下さったのです。本当に何処までご厚意に甘えていいのやら…お気遣いに感謝いたします。名残の展示会からDと二人新幹線で東京へ向かう。昨年秋冬の展示会をしなかったために材料補給は必須となっていた。小田原経由で伊勢原に住む娘の家に辿り着くとその日は昏々と眠る。翌日よれよれで…それでもこのために来たのだからと予定の何か所かの店を回って材料を補給し、最後に帽子材料の調達に立ち寄った先でついにふらっと倒れてしまった。そこの係りの方の気遣いで持っていたものは全部自宅に送ってもらう事にしたから、帰りの電車で幸運にも座れたまま娘宅に帰り着いた。けれど翌日は忙しいのだ。私の帰省と同時に娘一家が引越しのためやって来る。飛行機の中で熟睡し浮ついた体で運転…帰り着いて、すぐに荷物を置いて…離れに彼らの寝床の準備をしてこれからまた空港まで彼らを迎えに走らなくてはならないのだ。年が変わってから何時もより増して私は目まぐるしく動いていた。忙しい合間の日南詣でにその友人の一年期の準備、新たな出発を目指していた娘一家の新たな門出に伴う雑用に加えて確定申告に友人達のお泊り来訪の合間で新作作りにマリオネット制作まで…あまりに多忙過ぎた。展示会先で休めるから…と言って家を出たのにあの知らせは不意打ちだった。悲しみと言う思わぬ落とし穴に嵌って一辺に疲労が吹き出してしまったのかも知れない。とにかく「yes…」と言った事は無理して全部やってしまう質だから、時折こんな形でしっぺ返しに合うのだ。それでも…よれよれで空港にまた舞い戻って(我が家の殿方はライセンスを持っていない。「絶対に事故を起こす自信がある!」と豪語して約束反古で運転免許は取ってくれなかった。だからコロナに掛かっても自分で運転するしかないのだ。)歓迎は外食にさせてもらった。翌日は彼女らの引っ越し…荷物が我が家から一時間ほど離れた隣県の街に届くはずだ。まだ翌日もよろけていた。ここに来て…自分自身とても今引越しの手伝いなんてできそうにない事は自覚している。見かねた夫から「あなたは家にいて…」手伝いを買って出ていた夫の友人が来る筈になっていた。手伝ってくれるという事は、その夜は我が家で一杯飲んでお泊り…ってコースを彼は想定している筈だ。自分で運転して娘一家の引越しを済ませ、帰り着いてからまた彼の接待まではもうどう考えても無理な状況だった。だから…娘の引っ越しだったけれど私は家に残り、帰って来た彼ら二人の酒の肴の方に専念させてもらう事にして…その日夕暮れ近くまで昏々と眠り続けた。立ち上がればよろける体でキッチンに立ち椅子に座りながら調理を始める。彼らが帰り着いた頃には何時ものようにテーブル一杯の料理が並べられた。この独り者の友人、我が家でのお泊りがとても楽しみなのだ。毎回帰りには幾つものタッパーに料理を詰め込んで持たせるから…。「えぇ、でもYさん…具合悪そうだから…」と言って帰る真似をした。けれど「もう料理作ったから…」と力なく言えば「それは有り難い…」とくるりと向き直って…何時もの夜の始まりだ。朝はフラフラでも欠食児童の親父のために美味しいポタージュも作ってお昼は「…が食べたい」と言う奴にそれを作ってやって…結局何時ものように一杯お持たせであいつは帰って行った。でも彼がいて引越しは助かったらしい。夫も腰を痛めて…ご苦労様でした!
そんなこんなで帰り着いたらすぐに書こうと思っていた三月のブログが今になりました。分かってます!何時もオーバーワークであるって事。「ねぇ、ママ…自分の年齢考えてみて!」「だから…何⁈」でもねぇ…仕方ないですね、こんな質だもの。こうやって時々どっと皺寄せが来る事があるけれど…少~し考えながらこれからは行きましょう。まだふらつきがあるので…今日は追いかけの仕事を辞めてブログ日でした。