不安定な春の行方・・・

お雛祭り・・・私達夫婦がこの日に結婚してを半世紀を折り返しました。老いを楽しむ・・・落日の黄金色の光に包まれて最終コース爆走中です。日南の友人夫婦に祝って貰って・・・後は神戸の展示会にまっしぐら⁉でした。いよいよ今週末は搬入、アトリエの私スペースはあっちからこっちからいろんな素材を引っ張り出して足の踏み場もないくらい混沌としています。綺麗に仕事は出来ないんだなぁ。6時近くになるとし残しの仕事に未練があるから・・・片付けもせず、そのままさっとアトリエを出てリビングに「ただ今⁉」です。私の頭は至ってシンプル!簡単にギアの切り替え可能・・・ちょっとソファで休憩後、冷蔵庫を開けてバタバタと今宵のメニューを組み立てます。ここからはパズルです。

結婚以来、夜は如何に酒を美味しく飲むか・・・夫は昨今の育メン⁉と言う言葉から逆行するような横暴亭主!「家族で何処かへって?俺は小市民的に家族の殻を付けて歩くのは嫌なんだよ!」一度も家事も育児にも関わらないワンマン亭主にとって酒にご飯?はもっての外・・・お刺身に始まって和え物数種、焼き物、煮物・・・高い素材はないけれど幾品も続く酒の肴。その都度出来たばかりの料理を要求する夫に4人の幼子がいてもあの頃は深夜の1時くらいまで料理をしてたなぁ。夫の家族との長い同居生活で自由奔放だった私に「出る杭は打たれる」式にいろんな事を飲み込む術を初めて知った時期だった。言われなき自信に満ちあふれ高慢ちきな私にはそんな事が必要だったのかも知れない。そして結婚するにあたって、絵を描くこの人に些末な事は耳に入れまい・・・そんな私の決意⁉らしきものに自ら振り回され、今思うとあの頃は夫のその逆鱗に触れないようビクビクして暮らしていたような気がする。

けれど今、我が家では、奴隷としてガレー船で海を渡って生き延びた者を待つ見知らぬ大陸の農園での過酷な労働・・・いっそう強くなった黒人達!その彼等に怯える白人の構図が展開されている。子供等が蠅のように周りでぶんぶんたかっている状況で次第に私は私を取り戻し、忍従の中で地道に力?を付けてきて・・・遂に夫を追い越してしまった。たまに夫による私の逆鱗に触れるような言動あり。何時もは脳天気で鼻歌交じりの私も「もう、いい加減にしろよ・・・」と、既に引きつり笑いながらサインは出している。けれど敵は調子に乗って執拗に踏み込んで・・・結果、彼は地雷を踏むのである。ドカ~ン‼もうこうなったら止まらない・・・私は郷土の桜島の如く火を吐く!私のその逆鱗に触れながら、今は「嘘よ、嘘・・・」力なく曖昧に笑いながら媚びながら「さぁ、手錠を掛けて・・・」と言わんばかりに両手を差し出す奴に成り下がった亭主殿。今は猫のようになった我が儘トラはごろにゃんと可愛く甘えます。甘えて餌を貰う術を知ったようです。可愛い・・・と思える私も彼の毒に嵌まったのかも知れない・・・。

さて展示会間近・・・高松でヒートアップのまま「ぬばたまの夜会」が出来ました。妖艶なN嬢のもとにまた艶やかな熱帯魚が集まります。コロナの状況を図りながら二年前、オファーを受けて高松に上陸!この趣味に徹したこのギャラリーの居心地の良いこと‼すっかり嵌まって、春・秋・・・を連続2回も繰り返し、ここに集まる世代も背景も違う熱帯魚群にもすっかり馴染んでしまった。私がそんな彼女らを「熱帯魚、深海魚・・・」と呼べば「いえ、私は回遊魚」と名乗る魚?に「・・・に憧れる鰯です」まで現れて・・・各地から集まってくる彼女らと別れが惜しく「ぬばたまの夜会」を結成‼と言った次第です。その彼等が今度は4年ぶりの神戸の展示会に集まってくれる‼来週に迫った段階で皆様にDMも届いたらしく、頻繁にメールの交信あり・・・何だか修学旅行みたい⁉神戸で「魔女の会」が出来たときもこんな感じだったなぁ。帽子を作り始めて二十年経ってUターン⁉・・・また始めた頃の華やぎに囲まれています。2年先のオファーが入って「えぇ、私の歳、分かってんのかなぁ⁉」自分が70をとうに越したのが信じられないくらいに、作るまた集う楽しさに満ちています。「誰のお陰?」そんな声が横から聞えそうです。その通り‼夫が「俺は絵に専念する!だから交代・・・」あの一言で私は帽子を始めたのです。帽子を始めたら・・・粘土細工のように仕事を楽しみ、寅さん的に気ままな自由まで戻り・・・おまけ付でこんな楽しさが待っていました。そう、健康でさえあれば永久に楽しめます!

今、世間は世界の大谷サンと一平ちゃんの事で騒然‼嘘であって欲しかったけれど・・・もう元には戻らないみたい。気の良い一平ちゃんがあんなに厚遇を受けながら、賭博という魔物で恩ある大事な人まで苦境に立たせる結果に!取り返しのつかない事をやってしまった。けれど・・・けれど・・・彼が罪を償い、仕事を超えて友愛に満ち素晴らしかった二人の時間が何時の日か互いにまた温かさで包まれるよう願っています。

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