10月初めから鹿児島と愛知県豊田市で展示会です。
夏、初めての名古屋での展示会後にお話を頂いてこれも縁!とお引き受けしたのですが…
夏真っ盛りに蒸気にまみれて仕事を詰めて詰めて・・・結局ダウン。
これじゃ無理!と9月出発の旅を10月にやむなく延期です。
音楽がんがん掛けて帽子一個づつ作っては、蟻が巣に餌を運ぶようにアトリエの前にある離れに運んで
部屋中ぽこぽこ帽子が並んで気付けば予定個数に!どうにか二つの展示会に辿り着きそう。
帽子を作り始めて十年目の括りとして・・・八月中にこれまで書いた物を纏めるなんてしょせん無理な話でした。
少し気持ちに余裕が出来たせいか昨日あたりから案内状を書きながら「今年中には…」とこれまで書いた物を見直しています。
合間に上質な映画2本・・・ウォン・カーウァイの「ヴエノスアイレス」と養老院・ヴェルディの家のドキュメント「トスカの接吻」です。
ヴェノスアイレスは当時何故か見そびれたまま・・・イグアスの滝をモチーフにもぎたての果実から瑞々しい果汁が激しく迸るような同性愛者の愛の物語。
「四十で惑わず」どころか、この年になってもまだ恋と言う魔物に振り回され揺れ動く人の心が切なく愛しく、ちくちく甘苦しい想いに駆られます。
もう一本は以前観てるのですが早朝目覚めて・・・花の時代を終えた音楽にまつわる人々が共に晩年を過ごすベルディの館でのドキュメントです。
老いてなお芸術への憧れ止まずとうに引退を果たした彼等から素晴らしい歌声が流れ、
カメラは静かに人物に近づき壁に飾られた彼等の古い栄華を捲る・・・。
転調なのだろう、老人の弾くバイオリンの美しい音色が観る人の胸に沁み渡り、まるでビスコンティ―の映画を観るよう・・・贅沢な時間でした。
夜が白んで一番列車が走りました。
・・・家大好き人間はこんな風に家に居続けます。
今朝は若い蟹がリビングに迷い込んで黙ってごそごそ・・・曼珠沙華の花も終わりそうです。