光が春を孕んで、黄色いミモザの花が風に揺らいでいます。
風は日向の匂いを運んで、いっせいに再生の春に芽吹きます。
お日さまが温かいって幸せ・・・何でもない事にしみじみします。
春の陽気に誘われてあっちこっち行ってみたいけれど
今私は囚われの身?青山の展示会がもうすぐ・・・目前です!
春がテーマの展示会。春かあ・・・春ねえ、はる・ハル・・・春が舞い降りない!
何か、春の空気のように透けてて・・・でもつかめない。
薄いはっか色のチュールやモーブ色のオーガンジーも帽子になりそこなってミシンの脇でため息です。
低迷は混迷となって散漫な断片をつないだ春?の帽子。
こんな時は日南に遊びに行ったり・・・今回は絵本に逃げました。
言い訳はあります。
おしゃまな孫姉妹へホワイトデーへのお返しです。
上の孫娘アンジュが手作りクッキーに長い作文を送ってくれたのです。
だから私も・・・絵本でお返し。
主人公の孫二人がタイムスリップして私の実家近くの神社で小さな頃の私に出会うお話。
小さい頃遊んでいた場所です。私は二人を家に連れて行きます。
書いている内に不思議な感覚、いつの間にか5歳の頃の自分に・・・
まだ若い亡き母の気配や軒下の青いガラスの風鈴に大きな桃の木、
薄暗い台所に畳の匂いまで・・・浸っていました。
そうだ、夏休み遊びに来た二人を裏のあの神社に連れて行こう!
なんて一瞬思ったけれど、第一「裏の・・・」と言ったところで私の育った小さな家はもうありません。
私はその実家から何十年も遠く暮らしているのに、
書いている内に感覚だけが昔にのめり込んでいたのです。
孫のために書いていたはずがいつの間にか小さな自分に戻ってタイムスリップしていたのはこの私でした。
小さな懐かしい旅でした。
もちろん挿絵は夫です。
「こんな感じ?」挿絵は不思議と彼が会ったことのない私の母に似ています。
忙しいと言いながら背表紙の青空とおなじ青い布を買いに行って絵を張り付けて糸綴じし・・・
今日絵本の完成です。
私の大好きな「わくわく」遊び!