春の光に・・・

年明けて・・・寒暖の繰り返しの間に大きく育ったミモザの黄色い花が咲きました。
梅の花が散ってもう春の知らせです。
体調回復と共に春一番に決まった東京での展示会!宿題あり・・・「Y子さんのターバン、考えて…」
昨年はいろんな事があって・・・仕事は中途半端に終わったから、
さぁ仕事開始!気を入れてアトリエに入り頂いた「宿題?」に向かいます。
帽子好きだからターバンって被った事ないし、被りたいと思わないから発想もない!こりゃいかん!!
ならばそんな私が被りたくなるようなターバン!?って事か?
横で夫が「別にそれにこだわらなくて良いんじゃないか。あなたの作りたいもの作れば・・・」と言ってます。
いえいえ、答えは「私をろ過したら…」にあるはず!
あれこれ材料広げたものの「私をろ過したら・・・何だろう」でもとにかく作ろう!
ああでもない、こうでもない。頭はまっ黒くろすけで、作って頭ひねって「どう?」夫に見せれば
「・・・・」無反応…そう言う事か!もうアトリエはひどい状態です。

だから気晴らしにまた日南に行って友人に被せてみました。そしてちょっと見えたかな。
「良いじゃないの!」彼女いい感じで似合ってます。
もちろん私も私らしい?物を被って行きました。
「良いねぇ」女のハートには響くらしい。
若い娘、海外の旅行者から街の小母さんまで「素敵ね」と反応あり。やったね!
男にゃ分からない感覚もあるんだよ・・・。
2泊3日、二組の夫婦4人で飲んで語って歌って気分を高め英気を養い帰り着きました。

前回日南を訪れた際、夫君H氏がクリスマスプレゼントに貰った精巧なサクラダファミリアのパズル組み立て。
小さ過ぎるパーツいっぱいで彼には難しすぎる!とそれを私が預かり持ち帰った。
夫が寝入ってからテーブルに広げ作りました!楽しかったなぁ。大人のおもちゃ?です。
次の日、早速ネットでもっと難しい物、否、一番難しい物!探して探して・・・
結局一番難しいものをダウンロードして1cmにも満たない尖塔の鳥まで立体で創る羽目に!!
夫を先に休ませ、早朝起きて「私何やってるんだろう?!」状態になっています。
ミリ単位の膨大なパーツをハサミで切り取り、幾層にも重ねてたったこれだけ!って進みです。

42歳でしがらみを解き放つように初めて独り旅に出て・・・訪れたサクラダファミリア。
エジプトのカイロからそのままバルセロナに飛んでまだ未完の教会に佇みました。
ガウディに魅了されていた20代前半・・・あの頃私は暮らしに戸惑い、
出口も見つからないまま細江英公のその写真集に見入っていたっけ。
まだ工事中の尖塔の周り階段を昇ればこれまでのいろんな感慨が頭をかすめ・・・小さなバルコニーに出るたび覗ける尖塔の奇怪な生き物たち。
はめ込まれた色鮮やかなモザイク一つ一つさえ魅了しました。
それから末娘のスペイン留学の時・・・彼女とパリで待ち合わせ長い列車移動でここに来たけれど
その前滞在したチュニジアで私はどうも水に当たったらしい。
この教会に来たもののそのすそ野に寝っ転がったまま登れませんでした。
私の生きている内に完成する・・・そう思っている内あれから25年,もう完成間近です。
一昨年、二度目になる夫と私は三度目のご対面。バルセロナ市内の彼が細部までこだわり作ったグエル邸もカサ・ミラもさすがです。
だけどこのサクラダファミリア・・・「ええ?ガウディはそう望んじゃないはず!」彼がが生きてたらそう意図しただろうか?
ここを好きな方々も大勢、だから言いますまい。
でもでもここに来て・・・最後の仕上げで残念です。

あの壮麗な教会を瞼に浮かべながら
私はどつぼに嵌ってせっせと1,2ミリ単位の小さな小さな厚紙を切って組み立て糊付けます。
「こりゃ中毒だな」「こんなことしてる場合か?!」自問自答・・・何だか忙しくなると一方で無性に遊びたくなるらしい。
はい、私ゃ堅気の女じゃございません。遊びやせんと生まれけり・・・です。

昨日は母の命日。もう46年も母に会っていません。今の私よりずっと若いまま・・・
育ててもらって22年でお別れ・・・早く逝った人は美しく鶴のように飛んで行ってしまいました。
けれど恋しさは薄まらないものですね。
母のしぐさ、笑い声・・・耳元に感じながら町を抜け峠を越えて墓参りに。
ハンドル握りながら「何時まで来れるんだろう…」独り言、此処に母を覚えている人すらもういなくなったようです。
大丈夫、私の中にまざまざと愛に溢れた母が残ってるから。
母の郷は空色の春の光に包まれてのどかに眠っていました。

そして今日は愛の日、バレンタインディー。我が愛する友人みっちゃんの一周忌です。
甘ったれ堕天使の彼が「俺すごかろう?だってさ、愛の日に死ぬんだぜ」そう囁いているようです。
夫と二人白い花を抱えてみっちゃん家を訪ねれば
あの飲んだくれ堕天使が仏壇の中で恥ずかしそうに佇んでいました。
お願いして奥様に写真を一枚分けて貰い、また我が家の飾り棚に置きました。
それまで写真の代わりに彼が昨年暮れに書いて寄越したはがき一枚を置いてありました。
改めて読むと「くれぐれも体に気を付けて・・・・・」だって。馬鹿だな。
昨年、恒例のクリスマス会へのお誘いに
あの時「行けない・・・」「でも行きたい、俺行くよ。」「・・・でもやっぱり行けない…」幾度かの電話。
何時もの甘ったれた彼の掠れた言葉が何時までも耳に残ってます。

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