春なのに・・・

大阪から戻ってしばらくは後のお直しやオーダーに明け暮れ、ようやく自由の身となってまだ桜の散ってない春を満喫しようと日南へ・・・

確かに遅かった春は足踏みで待っててくれました。間に合った!酒谷を通れば狂おしいほどの桜が山を谷をほのかな薄桃で彩っています。夜の山道を独り走れば妖艶な花の精に取り込まれそうな・・・静まりかえった山は怖いほどの賑わいです。

さて「遊ぶぞぉ~」と、雄叫びを揚げながら何時もの日南詣でだったのに体調が今一だったのでしょう。これが健康のバロメーターか、お酒が進まない!乗りまくったのは姉のようなS嬢のみ!この姉様は無邪気な子供のよう・・・私達が行く前夜は興奮して眠れないらしい!その夜も独り速いピッチで水割りをぐいぐい飲み、姉様は早々に出来上がって我が世の春!?を謳歌しました。

暮れに相当疲れが溜まってたらしくもう目がぼやけて決断、眼科にいって白内障の手術へ・・・OFFにと調整を図るつもりが1月は既に予約が一杯で止むなく4月に。今年寒の戻りで遅かった春は瞬きひとつでさっさと遠のき、桜の散るのを待たずにここ海辺ではもう藤の花が咲きました。あぁ、それにしてもどうしてこの美しい時期に・・・悔やんでも仕方ない!覚悟してまな板の鯉です。それまでに後からまた新たに入ったオーダー制作に次々に届くファンレターにお返事書いて(有り難いですね)遠出して鹿児島でのプチ展示会の打ち合わせ・・・その合間にこまめに眼科検診が入って忙しない春を過ごしてます。  

 あ~ぁ春なのに・・・・

そして今日はもう片方の左目の手術!もう観念してるので・・・。でもやはり思ってた以上に不自由です。右目の術後はまるで凸レンズを掛けてるような浮き感?車の運転がまだ覚束ない・・・けれど旦那様はライセンス無しで私の横に座るのみ!?いえ免許取るのを拒否したずるい男・・・だからもっぱらどんな時でも足?は私、術後三日目からゆっくりゆっくり運転です。そんなとき何時でも彼の得意技!「大丈夫?」これさえ一言声掛けりゃ後はよしなに・・・の夫君です。

手術の日・・・付き添いが必要となってるから一応夫が病院に着いてきたけれど・・・手術終わって私がまだ茫洋と馴れない足取りで自分で会計を済まし、タクシー呼んで・・・彼は独り外でたばこ吸っててタクシーが到着すればさっさと自分ひとり乗り込みました!私は病院の手摺りない階段を恐る恐る降りてタクシーへ・・・「この男ときたら!」何時もこんなもんです、また皆様にチクるネタが増えた!ってもんだ。

日南のS嬢・・・「そんなことと思ってた!Tの役立たず!今日はTに罰が当たりますように祈ってやる!」と宣ってくれた!笑った・・・あぁ、すっきり。でもこの間、電次郎女史に言われましたっけ。「Yちゃん・・・T氏のこと楽しそうに愚痴ってるの、惚気に聞えるよ・・・」ふと我に返りました。あぁ、そうかも知れない・・・結局私って手の掛かる男を楽しんでるのかも。以前我が夫君が私のこと「顔を背けつつ打たざるを得ない覚醒剤!?」とおちょくってたけど、私にも同じ事が言えるんだろうな。

手術といっても二回目だから要領心得て・・・昼までにシャワー浴びて買い出し済まし、今宵と明日の食事の準備OK!お刺身に白和えとオクラのおひたしに肉じゃが、天ぷら下準備して、鰯のパン粉オーブン焼に茶碗蒸し・・・何だかピクニックに行くみたいにお料理楽しくやっちまったぁ。残念!

*後日談・・・

二回目の手術の後・・・夕方片目を大きなガーゼで塞いだまま帰ってきました。もうすぐ夕刻になるけれど昼食を下げたまま、バタバタと病院に行ったままの台所はお茶碗がそのままに。既に自分で調理していったとは言え、術後だし片目で感覚がぶれてるのに、「せめて今日くらい・・・」そんな気が利くどころか夫は洗う気など毛頭無いらしい。で・・・何時ものように「ま、良いか・・・」と私が洗い物して温めたり蒸したり揚げたり・・・結果今日もずらりと並んだお膳!だからでしょう「もうひと品は後で・・・」と当たり前のように夫。グリルに入れ焼くだけの鰯の香草パン粉焼・・・もうそろそろらしい?けれどそれすら彼が動く気配まったく無し。結局・・・私か~!けれど途中何度か焼け具合を見に行くのは今は覚束ないから・・・だったらと時間設定してオーブンにアルミに並べた魚をうっかりそのまま入れてしまった!え?オーブンが付かない!そうか、アルミはダメだった・・・と慌ててまたグリルに移して焼き直したのですが・・・そこで夫の怒りが炸裂!「あなたは・・・危ないじゃないか!火事にでもなったらどうするんだ!」そう罵倒しながらしつこくネットでその危険性について調べ始めた。しかもし・つ・こ・く。そこで遂に私の怒りの火がプチッと付いたのだ・・・けれど「うっかりしただけよ。大丈夫よ!」とその怒りを飲み込んで甲高く?笑ってごまかした。けれどもう怒りの導火線に既に火は付いている。それを知らぬ敵は私のその笑いにカチンときたらしい。彼は私が”しでかした事?”に独り憤怒しながらまたネットでその危険性を探し始めるのだ。

日頃から何もしない夫にブチブチ不服いうのは嫌い・・・だから何も言わない。ご機嫌で花の手入れしてればそれで上等です。この甘ったれ・横柄・傲慢な依存度100%男は買ってきたお弁当なんて絶対食べない奴・・・だから手術当日だって彼に負担掛けぬよう私は早めに夕餉の支度をちゃんと準備したのだ。でもそんな私が彼奴にプツンと切れる限界がある!その夜、まだ9時過ぎというのに私の笑いながら放った一言で不愉快だとばかりに「もう、寝ます!」と語気荒く憤怒の顔のまま、彼はすたすた寝室へ行ってしまった。当然テーブルに広げられた料理も焼きたての鰯も置いたまま・・・片方は一週間前の手術で凸レンズよろしく、もう一方も先程手術が終わったばかり!で感覚ずれたまま覚束なく・・・けれどその夜私はそれをまたかたかた距離感ないまま自分で片付けました。

彼奴に怒る権利ある?こんな男です。

翌朝、彼は不覚にも「まだ俺は怒っている!」の態。だから・・・ここからは私の逆襲!一旦怒るとこの私・・・桜島の爆発と一緒でどかんとどでかい怒り噴出したらもう止まらない!彼をこっぴどくとっちめたのでした。今・・・彼は借りてきた猫の態です。我が家でよくあるパターン・・・平和な一日です。

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